コンドームの歴史は、リネンとリボンから始まった
あの薄いゴムも、最初はゴムですらなかった。薬液に浸した布の袋から、角のキャップ、動物の腸を経て、ラテックスへ。

舞姫華さんっ! コンドームってさ、近藤さんって人が発明したんでしょ!? 名前がそっくりだもんっ! ボク知ってるんだからっ!

姫華……はぁ。音が似てるだけよ、アンタ。どこかの近藤さんに失礼じゃない。……まあ、英語圏にも似たような作り話はあるけどね。

姫華18世紀のはじめには、イギリス王チャールズ2世のそばにいた「コンドーム博士」が考えた、なんて話が広まってたの。でもそんな人物がいた証拠は無いし、コンドームはその即位の100年以上前から使われてたのよ。語源は今も「不明」。

舞えーっ、博士もいないの!? じゃあ誰が最初に作ったのさっ!

姫華古代に使われてたかは諸説あって、はっきりしないわ。確かな記録でいちばん古いのは、16世紀イタリアの解剖学者ファロッピオ。1564年に出た梅毒の本で、薬液に浸したリネンの袋を先っぽにかぶせて、リボンで留める方法を勧めてるの。1100人で試して誰も感染しなかった、って本人は書いてるわ。

舞リボン!? かわいいじゃんっ! プレゼントみたいだよっ!

姫華感想そこなの!? ……ちなみに日本には「甲形(かぶとがた)」っていう、べっ甲や動物の角で作った先っぽ用のキャップがあったのよ。のちにオランダの商人が、全体を覆う上等な革製のものを持ち込んだんですって。

舞カブト!? 角!? それ絶対カタくて痛いやつじゃんっ! ボクは遠慮するよっ!

姫華……そこは同感だわ。17〜18世紀には、動物の腸や膀胱を処理して作る「スキン」が広まるの。カサノヴァなんて、穴が開いてないか確かめるために、使う前に膨らませてたそうよ。

姫華流れを変えたのはゴムよ。1855年に最初のゴム製が作られて、1920年代には、より薄くて丈夫なラテックス製が登場したの。ゴム製の保存がおよそ3か月だったのに、ラテックスは5年。今も避妊と性感染症の予防、両方に使われてるわ。

舞へぇ〜っ! じゃあボクも、カサノヴァさんみたいに膨らませて、パーティーの風船にするよっ!

姫華しなくていいわよ!! 確かめるのと遊ぶのは別でしょ! ……まったく、アンタに教えると最後に必ず脱線するんだから。
姫華のまとめ
- 「コンドーム」の語源は不明。チャールズ2世のそばにいた「コンドーム博士」が考えたという話には、実在の証拠がない。
- 異論のない最古の記述は、ファロッピオが1564年の梅毒の本で勧めた、薬液に浸したリネンの袋(先端にかぶせてリボンで留める)。
- 日本には、べっ甲や動物の角で作った「甲形」があり、のちにオランダ商人が革製のものを持ち込んだ。
- 1855年に最初のゴム製、1920年代にラテックス製が登場。ラテックス製はより薄く丈夫で、長く保存できた。
出典
※一般的な雑学です。医療上の判断が必要なことは医療機関に相談してください。登場人物はすべて成人です。