クリトリスは「お豆」じゃなく、氷山だった
「お豆」サイズだと思われがちなクリトリス。じつは見えているのは先端だけで、本体は体の奥まで広がる大きな器官だった。

舞姫華さんっ! クリトリスってさ、あのお豆みたいなちっちゃいとこでしょ!? ちっちゃいから、全部外から見えてるんだよっ! ボク知ってるんだからっ!

姫華……はぁ。アンタ、「氷山の一角」って言葉を知らないのかしら。外から見えてるのは先っぽの「陰核亀頭」だけ。残りの大部分は、脂肪と恥骨の陰に隠れて体の中にあるのよ。

姫華1998年に、オーストラリアの泌尿器科医ヘレン・オコンネルが解剖で全体像を描き直したわ。先端は中で「体部」につながってて、これが親指の第一関節くらい。そこから二本の「脚」が奥へ伸びてて、長さは最大9センチもあるの。

舞9センチ!? しかも脚まで生えてるの!? じゃあクリトリスって、体の中をテクテク歩き回ってるんだっ!

姫華歩かないわよ!! 脚っていうのは、骨盤の骨に沿って広がる勃起組織のこと! しかも体部からは「球」が二つ、膣の両側に伸びてるの。興奮すると血が集まって、全体がふくらむのよ。

舞へぇ~っ! ボク覚えたよっ! それを見つけたのって、オコノミ・ヘレン先生でしょ!? ソースのいい匂いがしそうな名前のっ!

姫華オコンネルよ! お好み焼きにしないで! ……でもね、それまでの教科書の図は、実物の半分にも満たない大きさで描かれてたの。ほとんどが体の中に隠れてるうえ、解剖に使われるのはたいてい80~90代の女性のご遺体で、歳とともに勃起組織が縮んでたことも原因だって言われてるわ。

姫華2005年には、健康な女性10人のMRIでも、体部・脚・球がひとまとまりの勃起組織になっている姿が確かめられたわ。語源のギリシャ語 kleitoris は「小さな丘」って意味だとも言われるけど……ふふん、丘どころか山脈だったってわけね。

姫華神経もすごいのよ。2022年、オレゴン健康科学大学の研究チームが、陰核亀頭につながる神経線維を初めて数えて、約1万本と見積もったの。よく言われてた「8000本」は家畜の研究から来た数字らしくて、それより約20%多いわ。

舞1万本!? じゃあボク、今夜から1本ずつ名前つけてあげるよっ! 山脈なんだから、エベレストとか富士山とかっ!

姫華つけなくていいわよ!! 徹夜したって終わらないわ! ……手首から手に走る正中神経でさえ約1万8千本。手よりずっと小さいところに、その半分以上が詰まってるってこと。……ふふん、これでアンタも「お豆」なんて二度と言えないわね。
姫華のまとめ
- 外から見える陰核亀頭は一部にすぎず、体部・二本の脚・二つの球からなる勃起組織の大部分は、脂肪と恥骨の陰の体内にある。興奮すると血が集まってふくらむ。
- 1998年にヘレン・オコンネルが解剖で全体像を示した。体部は親指の第一関節ほど、脚は最大9センチ。従来の教科書の図は実物の半分にも満たなかった。2005年には健康な女性10人のMRIでも確かめられた。
- 2022年のオレゴン健康科学大学の研究で、陰核亀頭につながる神経線維は約1万本と見積もられた。よく引用される「8000本」より約20%多い。
出典
※一般的な雑学です。医療上の判断が必要なことは医療機関に相談してください。登場人物はすべて成人です。